オタク文化&同人迷走エッセイ(Otaku bunka & dojin meiso essei)

ようこそ、オタク文化や同人関係についての広い意味でのエッセイです。

怪獣倶楽部~空想特撮青春記~ | 1970年という時代

特撮












ウルトラシリーズ

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『怪獣倶楽部~空想特撮青春記~』


今回は前回に引き続いて、ちょっと変化球な作品のご紹介です。

特撮作品そのものではなく、特撮が好きなマニアたちの集まりをコメディドラマ化
した作品です。

ずいぶんと以前に、「ウルトラマンを作った男たち」というスペシャルドラマ
がありましたが、あの作品と同じようなアプローチの仕方をした作品ですね。
また半ドキュメンタリーなのも同じです。



この作品に登場している人物たちにはモデルがいるそうで、現在は業界関係者
として活躍しているそうです。
また実際にあったエピソードも作中で使われているそうです。


そして毎回、「金城」さんという言葉を登場人物たちが語っていますが、
ここで少し補足しておきます。

「金城哲夫」さんとはウルトラシーズの生みの親のような有名な脚本家です。
沖縄出身の方でウルトラシリーズが終わってから沖縄に帰られます。

そして37歳という若さでなくなっています。


また話の中でウルトラの兄弟というような台詞もありますが、第一期ウルトラ
シリーズには兄弟という設定はありません。
ですから今のウルトラシリーズから付け足されたものですね。

後で作られた設定なのですが、当時のライターはこれをいやがっていました。


この物語にストーリーとかはあってもないようなものです。
また全四話と話数も短いものです。

単純に特撮作品を鑑賞して批評するための同人誌を作っているグループの
物語だからです。

ですからご紹介するストーリーはありません。
正直、需要があるのかどうかも分からないですね。

していてというか主人公というか、狂言回し的な「リョウタ」に恋人がいるの
ですが、それを仲間に隠しているというのが一貫して描かれています。


批評する作品は第一期ウルトラシリーズで、ウルトラマンとウルトラセブン
の二作品です。

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◆補足説明。



「怪獣倶楽部」というのは実際に存在していた同人グループらしく当時は
同人とは呼んでいなかったはずです。

ファンジンが同人誌の名称としてもちいられていたと記憶しています。

現在の同人誌と昔のファンジンを比較しながら説明していけば、当時は
まだ「オフ印刷」は素人が簡単に手を出せなかったと思います。


今でこそ当たり前のことでも、当時は大変な作業でパソコンはおろか
ワープロでさえまだ普及していなかった時代ですから文字なども手書き
ですし、コピー機もまだなかったですね。

コンビニもなかった時代です。
ですから全ての作業が手作業で大変だったと思います。

自分が同人サークル活動を始めたのは1990年くらいで、正確にはそれ以前
からある程度の関わりがありました。
当時はワープロが普及し初めた時代で今でも当時使っていたワープロはまだ
残っています。

今のように当たり前のようにパソコンが使えたならば高品質なものをより
スピーディに作れたと思いますが、我々の時代でさえしっかりした同人誌
を作ろうとすれば大変な労力を必要としました。

生ぬるい遊びでできる範囲のものではなかったですね。


そういう意味ではパソコンが普及してから飛躍的に良くなってはいるの
ですが、相変わらずコミケ参加を目的としたような表紙だけ凝った内容も
分量も薄い同人誌ばかりなのは変わっていないようです。

昔は表紙さえまともなものが作れなかったですから。


ちなみにオフ印刷が普及し始めたのは1980年半ばくらいからだったと思います。
同人誌人気が出始めてから、印刷会社がスポンサーとなって小さな即売会が至る
所で開催されるようになってきました。

これを指摘する人は少ないのですが、小さな印刷会社は自らの仕事を広げる
ために自ら即売会のスポンサーをしていました。


今の同人人気はアニメ人気に伴って現れてきたもので、特撮関係は日陰のみ
と言えると思います。
アニメ人気によって、商業関係でも特撮は片隅に追いやられていったような
ところがあります。


また本格的な同人誌人気は、アニメ人気もさることながらパロディ人気であり
なによりも18禁人気によって沸騰してきたものです。

もし今、18禁作品がなくなってしまったら急速に同人人気はなくなっていく
と断言できますし、18禁作品が作られてこなければ同人市場すら生まれて
こなかったと思います。

これはボーイズラブも含まれますが、18禁作品あってのオタク市場でもあるのです。


この「怪獣倶楽部」の時代は特撮というよりもSF人気が台頭してきたころで
当時はSF関係の雑誌なども沢山出版されていました。
個人的にも一番SF関係と接していた時代でした。

まだコミケは存在しておらず「ダイコン」、つまり日本SF大会が活発に
開催され始めた時代です。

「コミケ」はSF大会から派生独立していったようなところがあって、当時
SF大会に関わっていた人が話していましたね。

それもあってサークル活動を始めたときはSF大会に近いものだと思って始めた
のですが、実情はまったく違ったものでした。


ドラマ内では「ウルトラセブン」をラジカセで音だけ録音しているという
シーンがありましたが、ウルトラセブンは1967年放送ですから、この物語で
描かれているのは再放送ということになります。

ラジカセは確かに人気がありましたが、それは音楽を録音してダビングしたり
ラジオの深夜放送に人気があったからです。

好感度のラジオがいろいろと発売されていました。


当然ビデオのような録画メディアは何一つなかった時代です。
ビデオどころか、テレビもまだ完全にカラーテレビが普及しきってはいなかった
ですね。

電話もまた同じで、いまように一人に一台スマートフォンの時代ではなく全世帯
に電話が行き渡ってはいませんでした。

第一期ウルトラシリーズはモノクロでした。



このドラマの1970年は日本で初めての万国博覧会が「日本万国博覧会(大阪万博)」
として開催された年でもあります。
沖縄がまだ日本へ返還されていませんでした。

戦後復興の国策の一つとしての東京オリンピックに引き続いてのもので、
日本としても今と違って一大イベントとして強く意識されて開催されていました。


個人的なことですが、オリンピックもそうなんですが、万博にもあまり良い
想い出がありません。
オリンピックは学校の授業で歌を歌わされたり、万博は卒業記念に関係する
ものを作りました。

今では信じられないでしょうが、当時はそれほど日本全国が注目している
力の入った一大イベントでもあったのです。

ウルトラマンではゴモラが万博に運ばれる話もありましたからね。
それくらいいろいろなメディアでオリンピックと万博は取り上げられていました。


この時のことを思い出して今のオリンピックを考えると、過去の成功体験をいつ
までも引き摺っているだけだと思います。

まったくピント外れのような気がします。


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◆迷走解説。


個人的には1970年はいろいろな想い出が入り交じった時代でした。

公害がピークに達して規制が次々と起こり始め、大学紛争が終息に向かい
それにともなってフォークソングが流行り始めた時代でもあります。

そして原発による核開発が活発に行われてきた時代でもあります。

この時の原発の嘘が、半世紀近くたってから「東日本大震災」による
原発事故として露呈しました。
自分たちはこの嘘を見抜いていたのですが、当時これを指摘した我々をどれだけ
の人間が憶えていることやらです。


この時代を境に科学万能の幻想が幻滅へと変わっていったように感じます。
全体的に厭世観のようなものが漂い始めていました。

つまり現実が嫌でも見えてきた時代でもあったのです。
それ以前の時代は、物質的に何もないけれど希望と期待だけは溢れるほどあった
時代です──それしかなかったと言い換えても良いですね。

そういう意味では、ドラマで描かれている映像や物語に当時の面影を見いだす
ことはできません。



なぜこういう時代ということを迷走解説で申し上げているかというと、
若い世代に昭和という時代に漠然と憧れを抱いている人が少なくないことが
分かっているからです。

実際を知らない人たちの良いとこ取りをしたような憧れではあるのですが。

確かに今のように規制規制と普通で暮らしているだけで首を絞められているかの
ような息苦しさがない、ある意味干渉されない心地よい時代の空気もありました。

しかしながらウルトラシリーズが始まった頃にはすでにそんな空気は過ぎ去って
きていましたし、公害問題はますます深刻化していました。
ゴジラでさえ公害怪獣のヘドラと戦う時代でした。



ウルトラシリーズの頃と昭和の憧れをごっちゃにしている人が殆どですが、
憧れの昭和は「月光仮面」や「まぼろし探偵」の頃ですね。

我々よりも上の世代、今は60代の後半から70代の前半にかけての人たちが子供時代
を過ごしたはずです。

我々でなんとかそういうものを僅かに知っている程度です。

今70歳くらいの人たちは昭和の一番良い時代を子供時代として過ごした
世代ですが、この人たちが学生運動に参加し、そして社会人となってからは
バブル景気を支えた中心的な世代です。

この世代は何でもかんでもイケイケドンドンだった訳です。
一番社会に影響を与えた世代だと思います。


第一期ウルトラシリーズは我々にとってはウルトラシリーズそのものなのですが、
ウルトラセブンはその中でも特別な位置にあります。

ではなぜウルトラセブンがそんなにもしっかりと心の中に根付いているのかと
いうと、やはり当時の時代背景をしっかりと裏側まで描いているようなところが
あったからです。

あのアンチヒーローである逆説的物語は、子供であった我々もいまだに心の奥に
残っています。


そしてなによりも風景そのものがあります。

この「怪獣倶楽部」にはメトロン星人が出てきますが、セブンの「狙われた街」
のメトロン星人でも工業地帯の廃液に汚れた河にセブンとメトロン星人が反射
して映っているシーンがあります。

工業地帯のようなシーンはセブンでは登場してくる機会が多いのですが、
子供であった我々が日々遊び回っていた場所は本当にこういう場所でも
あったのです。

河に近かったせいで中小、零細も取り混ぜて周りは工場ばかりでした。


そんな工場に挟まれた小さな公園があったのですが、その公園で隠れん坊をして
植木の間に隠れると白い服なら必ずグレーのスジが入りました。
それは立木の葉っぱに煤煙が積もり、くすんだ緑でそれがふくにつくからです。

学校でも夏の昼間などには光化学スモッグの注意報がでると校内放送が流れて
生徒たちは教室に入るように指示されていました。

また飛行機も空港への着陸コースになっていて、夜中でも頻繁に旅客機が低空飛行
していました。
なれてしまって我々には当たり前でしたが、騒音なんてやわなレベルのものでは
なかったですね。

夜には低く飛ぶ飛行機の窓の明かりが見えたほどです。

我々のような公害の真っ只中の子供にとってはこれが当たり前の心象風景でした。
まさにセブンと宇宙人以外はボロアパートも実在しており、セブンの存在感は他
とは違った格別のものなのです。


セブンを見るたびにその当時の情景がはっきりと蘇ってきます。
ですがあれだけ沢山あった工場も今では全てなくなっています。

その痕跡を探すことさえできないほどで、見事に消え失せてしまって、ある種
の喪失感と苦い痛みが伴う想い出となりました。


こうやって見ていくとある程度この先の50年というものが予測できるのですが、
少なくとも人工知能やロボット技術の進歩で作られるバラ色の生活はやって
こないことだけは分かります。



そして最後になりますが、このドラマにはゼットンやメトロン星人が出てきます。
等身大の大きさなのですが、怪獣と違って人間と同じ大きさで不自然さを感じません。

漫画「ULTRAMANN」はこういう星人たちが出てきますので、実写としても
まったく問題ない思えます。

ぜひ、作品化してほしいですね。



それでは、また次回でお会いしたいと思います。

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BLAME! | イメージイラストとストーリー漫画

未分類












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『BLAME!』



今回はアニメ映画「BLAME!」です。

この作品の原作は「シドニアの騎士」の「弐瓶勉」さんのSFアクション
漫画作品です。

「弐瓶勉」さんの作風を一番色濃く現しているのがこの「BLAME!」だと
思います。
原作の掲載誌は「月刊アフタヌーン」で1997年3月号から2003年9月号まで連載
された作品です。

「弐瓶勉」さん初の長編連載作品だそうです。



内容は───。

時代も場所も明らかでない超未来。コンピュータ・ネットワークは極限まで
発達し、高度に階層都市化された世界は、堅牢な『超構造体』に内蔵された
『システム』により支えられていた。『統治局』により管理された一大ネット
ワーク社会『ネットスフィア』は、実社会と同じか、それ以上へと拡大し、
ネットワークへの正規アクセスを可能にする『ネット端末遺伝子』の保有その
ものが市民権と同義となる。人々の生存圏はネットワーク・スペースへと置き
換わり、その仮想空間の事象を現実世界へと反映させるなど、理想の世界を構築
した。

しかし、厄災によりネットスフィアは機能不全に陥り、人々は『珪素生物』
による感染症の蔓延によりネット端末遺伝子を失ったことで、ネットワーク社会
は崩壊する。制御が失われた『建設者』により際限なく拡張され続ける都市構造物
は、やがてその惑星系すら内部に取り込み、不安定な連結がネットのカオスを加速
させる。ネットスフィアの番人である『セーフガード』は、管理規定にのっとり
アクセス権のない人類を不法居住者として排斥し続け、珪素生物はネットの機能
回復を阻止すべく人類を襲撃する。人々は繁栄の記憶を忘れ、全てが壊れた世界
の片隅で、目を盗むようにして短い生を生きる。人類の黄昏の世界が舞台である。

果てしなく巨大な階層都市の中を、探索者の霧亥(キリイ)は何千フロアも放浪
する。求めるものは「感染前」の「ネット端末遺伝子」。手にするものは全てを
貫通する最強の銃「重力子放射線射出装置」。





ちなみに追加情報ですが、探索者はこの「重力子放射線射出装置」をもっている
設定だそうです。

また、探索者は人形ばかりではないようですね。

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◆迷走解説。



ここからはいつものように迷走解説です。

SF好きの人間にとっては、「弐瓶勉」さんの作品にはいろいろと考え
させられるところがあります。

世界観がなじみ深いのです。


それはこのブログでも取り上げた「シドニアの騎士」の時にも書きましたが、
「弐瓶勉」さんの作風が昔からあるSF関係のイメージイラストでよく見た世界観
の作品だからです。

今回の「増殖する都市」というものもあったと思いますし、空へ空へと積み上げて
いく都市や、増殖する地下都市などいろいろありました。



以前に書きましたが、今回の「BLAME!」をみてやはりと思いました。
ストーリー先行の作家さんではなく、イメージ先行の作家さんですね。


もしかすれば自分が昔にみてきたようなイメージイラストを見てきたのかも
知れません。
この増殖する機械都市というのもはわりとSFのイメージイラストにあった
ので。

我々にはとても馴染みのある設定です。



そして今回改めて感じましたが、黎明期から漫画を読んでいる人間にはある程度
意識の中では既成概念的にイメージイラストの世界はストーリー漫画とは違うという
認識ができあがっています。
つまりストーリー漫画としては描けないというような認識です。

イメージイラストはファンタジーの世界ですね。



その認識を初めに破ったのは、実は「宮崎駿」作品である「風の谷のナウシカ」
でした。

「手塚作品」がそうであるように、ストーリー漫画の場合は整合性を重視
して、極端にイメージだけで話を引っ張っていかないものだと思っていました。
イメージ先行の世界観は作る側としては豊富なイマジネーションと一緒に、
細かなディテールが必要になってきます。

作り出したイメージを支えるだけの細かい設定とそれに見合った絵柄など
も必要で、とても大きな労力を必要とします。
ですから楽に作ろうとすると今あるすでにできあがっているものを使うと楽
でもあるのです。


イメージイラストの場合、断片的な場面場面の画ですからなんとかなりますが、
これを一つの作品、特に長編のストーリー漫画にするとなると骨が折れるはずです。



それもあって、もしかすれば「弐瓶勉」さんも昔何度かみたような、暴走し増殖
する都市というものをテーマにしたのかも知れません。

「手塚治虫」先生のように驚異と言って良いようなストーリーテラーとなって
くると、このイメージ先行の作品は大変作りにくいはずです。
理詰めの作品作りができないからです。

特に今の漫画の基礎であるストーリー漫画のフォーマットを作った方ですので、
自分の作ったフォーマットから離れた作風は作れなかったのかもしれません。
もしそうであるとしたならば自ら作り出した技法に縛られてしまったのかも
しれませんね。



話は少し外れますが、凄い才能を持つクリエーターはその才能故に自らを呪縛
するようなところがありますから。
我々のような凡人には経験できないことでもありますね。


ファンタジー系もそうなんですが、イメージ先行の場合は理論立てや整合性
といったものから離れて行きます。

手塚作品からは対局の位置にあると思いますので、それもあって石森章太郎
さんの「ジュン」を批判して後で謝罪することになったのではないかと勝手に
想像してしまいます。



その才能に嫉妬して批判してしまったと隠さず告白されていますが、
ご自身では作りづらい作品傾向だったのではなかったのかなという気がします。
手塚作品にはイメージ先行作品はなかったと思いますから。

あれほど多くの作品があるというのに。



最近はこのイメージ先行で制作するというのも一つではないかと考えるのですが、
イメージ先行でやるとそれこそイメージがあっちこっちへ飛んでしまうしで
収拾がつかないことになってくる。

ましてやある程度の長さになってくると辛いと思うのです。
だいたいイメージ先行で作られる作品は短編が圧倒的に多い。



ですから作家によっても違ってきますが、ご自分のスタイルにあった
作品でないと沢山は作れません。

無理して別のタイプの作品を作るとどうしてもどこかから借りてこなければ
ならないことにもなりかねません。


こうすれば良いと分かることは多いのですが、それが自分のスタイルにあって
いるかどうかが問題として出てくるのです。
それをどう自分の作品として消化して取り入れられるかに労力がいります。

こうやって俯瞰でみると分かることも多くあるのですが、分かるとできるは
まったく違うことだとあらため思い知らされますね。



書いていて嘆息しそうになりましたので今回はこれくらいで。

次回でまたお会いいたします。

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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ | イタリアのアニメ人気

実写化作品













鋼鉄ジーグ
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『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』


今回はちょっと変わったイタリア映画を取り上げたいと思います。

「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」です。
監督は「ガブリエーレ・マイネッティ」さんです。


このタイトルから日本のアニメ、「鋼鉄ジーグ」の実写化映画かと思われる
かも知れませんが、これが違うんですね。

確かにアニメ「鋼鉄ジーグ」をリスペクトした映画ではあるのですが、
実写化などではありません。


面白いのは評価が高くて、イタリアのアカデミー賞に当たるダヴィッド・
ディ・ドナテッロ賞では最多16部門にノミネートされ、主演男優賞、
主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、新人監督賞、プロデューサー賞、
編集賞の最多7部門を受賞しています。

本作に対して原作者の永井豪さんは「犯罪と汚濁まみれのローマの下町で、
アニメヒーロー『鋼鉄ジーグ』に憧れる女性の為、正義の戦いに立ち上がる
“男の純情”が美しい!! 『ガンバレ、君は鋼鉄ジーグだ!!』」とコメント
されていますね。



個人的にこういうアニメ作品をリスペクトした少し変わったアプローチの映画
があっても良いと思います。

なにも実写化やリメイク作品が全てではありません。



内容なんですが、主人公はチンピラなのですがその兄貴分が殺されて
しまいその娘を助けることになります。
その娘が心を病んだ女の子で「鋼鉄ジーグ」のマニアだったのです。
この女の子が鋼鉄ジーグが本当にいると思っていました。
その娘を助けて一緒に生活している間に正義に目覚めていき、この
娘が殺されてしまうのですがその後、鋼鉄ジーグのマスクをかぶり
正義をなすために夜の街に消えて行くところで終わります。


ですから基本的に、「鋼鉄ジーグ」そのものは描かれていません。
物語としては少し「クロウ」に似ている感じがあります。

また、非常に説得力のない点が一つあって、この主人公、超人のパワーを手に
入れますがこれが盗みをして逃げているときに入った川にあってこれがどうにも
な内容でした。

それを除くと悪い話ではないですね。
イタリアらしいヒーローものなのかも知れません。


追加情報としては、当時、鋼鉄ジーグ」がイタリアへ輸入されるや大人気となり、
主題歌「鋼鉄ジーグのうた」も大ヒットしたらしく、数多くの歌手やバンドから
カバーされ、自動車会社ルノーが水木一郎の歌う日本版のオリジナル主題歌を現地
のCMに採用したほど人気があったようです。

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◆迷走解説。



原作となっているアニメ「鋼鉄ジーグ」は1975年に放送されています。

原作は永井豪さんとダイナミックプロなのですが、「マジンガーZ」の大ヒット
からやたらとアニメ企画のロボット作品が多数作られていました。

その中の一つなのですが、この「鋼鉄ジーグ」はみていますが、あまり
記憶にしっかりと残っていません。
むしろ同じ「マグネロボ」シリーズの「マグネロボ ガ・キーン」の方が印象
に強く残っています。


変身ヒーローものの原作は石森作品が多く、ロボットものは永井豪作品が
とても多かったと記憶しています。
永井豪さんは石森先生のお弟子さんですから、姉弟揃ってアニメ化タイアップ
作品がとても多かったことになります。


マジンガーの「超合金シリーズ」、マグネロボの「マグネモシリーズ」があり
ましたね。

当時はロボットイコールおもちゃのようなところがあって、今のホビーコンテンツ
の元になったようなものです。
今のようにいろいろなシリーズやゲーム作品がなかった時代ですから、超合金
シリーズなどは絶大な人気がありましたね。

今でもマニアがいるほど人気が残っています。
個人的には興味は薄いですが。



アニメファンの多くは、自分たちが好きでみているアニメが無条件で海外でも
人気があると信じられていますがそれは違います。
このブログではよく指摘しているのがかなりズレた認識ですね。


萌えアニメを中心に日本のアニメファンと同じ視点で人気があるのは、
フィリピンやシンガポール台湾といった文化圏が近い国々です。

今でもあまり変わらないとは思いますが、サークル活動をしていた時に話した
人たちの認識では海外といえばアメリカやヨーロッパの国々でも同じ人気がある
と思い込んでいました。

これはあり得ないのです。

またヨーロッパでアニメ人気が出てき始めたは「アキラ」以降で殆どの日本
アニメが知られていませんでした。



昔の「アルプスの少女ハイジ」のように世界名作劇場として作られていたアニメ
作品の数々は何の問題もなく海外でも放映されていました。
幼児向けは規制されておらず、かなり浸透していたようで海外では日本のアニメとは
知られておらず認識としては自国で作られているアニメだと思って視聴されていた
ようです。

実はこれ、もう何十年も昔になりますが当時親の仕事のために海外での生活
のある人がそのときの体験談として話していました。

こういう海外での生活がある方も話していますが海外ではアニメは子供が
みるものであって、大人がみることはないのが普通です。
それは今でも緩くはなっていますが、大きく変わってはいないようです。



当時は今のようにインターネットがありませんでしたので、日本のアニメ情報
がダイレクトに入ってくる環境はありません。
また、国によっては規制などがあるのでアニメよっては放送や公開することも
できない場合があります。

また、一時期はアメリカが日本のアニメの権利をやたらと得ようと活発に動いて
いた時もあるのですが、これは作る予定があるからではなく先に権利を押さえて
おいて後で考えるのが普通だったからです。

ですので有名な「アキラ」は何度も映画制作の話が浮上してはそのたびに
二転三転してまったく作られないまま10数年たった今でも具体的に進んでいない
のです。



今はネットを通じて興味のある人は日本から直接アニメ情報は得ているでしょうが
それでも人気は日本とは違います。

正直、イタリアでここまで「鋼鉄ジーグ」が人気があるのを知りませんでした。
「デジタルモンスター」が人気があるのは知っていましたが。

イラクでは「UFOロボ グレンダイザー」が人気だったらしいですね。



日本のアニメファンは自分たちのアニメ人気をそのまま海外に移したように
考えているのです。

日本国内でも聖地もそうですが何か新しいアニメの施設が作られたという
情報はメディアからも個人からも発信されてくるのですが、では「神戸アニメ
ストリートが6月末での閉鎖」が予定されていますし、東京でも同じような
ことが起こっています。

こういう閉鎖や撤退、倒産という情報はけっこう多いのですが、アニメファンの
間からはまったく一言も聞こえてきません。
こういう現実を長くみているとどうしてもそこに無意識な情報操作をファンも
メディアも一緒に行っているのではないかと思えてくるのです。


前回のアニメ業界の現実についてもそうなんですが、絶えず現実との乖離という
問題に直面させられます。


最後に、宇宙を舞台に賞金稼ぎたちの活躍を描くスタイリッシュなアニメ
「カウボーイビバップ」がアメリカで実写テレビシリーズ化されるそうです。

こういう情報は実際に制作されてからでないとという但し書きが必要ですが、
海外での人気もかなり高いものがありましたし、内容も海外で実写化されても
おかしくないような作品でした。

ですから可能性はかなり高いのではないかと感じています。


それでは、また次回でお会いいたしましょう。

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ID-0 | アニメ業界の理想と現実

アニメ










ID-0
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『ID-0(アイディー・ゼロ)』


今回は「ID-0」というアニメについて少し書いてみたいと思います。

このアニメの制作は「サンジゲン」という会社で、個人的にはあまり
詳しくないところです。
2006年に設立されたところですので、新しい制作会社ですね。


アニメ制作会社がこうやって一つの作品を元請けからできるのはごく僅か
で、多くが下請け業の会社が主です。
昔からの日本の産業界の定番とも言える零細企業が殆どなのが日本のアニメ
制作現場の現実です。

また、有能な方はフリーランスで活動する場合が多くて、出たり入ったり
するのが普通の業界です。

これについては後でもう少し解説しておきたいと思います。



監督は「谷口悟朗」さん。
シナリオは「黒田洋介」さんです。

バンダイビジュアルと世界コスプレサミットの共同プロデュースによるオリジナル
アニメ作品として2016年に制作が発表されたそうです。



ストーリーは───。


オリハルトと呼ばれる特殊な鉱石の発見により、技術革新で人類が飛躍的
な進歩を遂げた世界。人々の居住域は太陽系を超え、宇宙各地に広がっていた。
また、人間の意識を転送して操縦するIマシンという人型ロボットが開発され、
民間・軍事用を問わずにその利用が進んでいた。

ある日、白鳥座アルビレオ二重連星を訪れていた惑星連盟アカデミーの学生・
ミクリ・マヤは、Iマシンを使ったオリハルトの採掘作業中の事故に巻き込ま
れたうえに教授たちに見捨てられ、置き去りにされてしまう。まもなく、
その場に現れたオリハルトの民間採掘業者「エスカベイト社」と名乗る者たちに
より、マヤは彼らの母船「ストゥルティー号」に救助されて九死に一生を得るが、
自分が不正取引の容疑で指名手配されていることを知り、社長のグレイマンの誘い
に仕方なく応じてエスカベイト社で働くこととなる。




───と、言うような内容です。


このブログでは何度も書いていますが、子供の頃からSFや特撮といったもの
をずっとみて育ってきましたので、SF作品は好きなので一応チェックしています。

しかしながらこの作品はオリハルトの秘密が滅びた異文明と関係してきて
SF的な要素を持っていても宇宙を舞台にした活劇なのか、それとも隠れた
ファーストコンタクトなのかどちらにも振り切れていない感じがします。


SFという面でいうと、「カドの正解」が出色の作品となっていますので
比べると無理があるかという気がします。
ただ「カドの正解」も映画「メッセージ」を意識していると思いますのでどれ
だけオリジナルの展開があるのかわかりにくいですが。

映画「メッセージ」はSF映画としてみた場合、久しぶりの名作です。

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◆アニメ業界についての迷走解説。


ここからはいつものように迷走解説です。

先にも少し触れましたが、このアニメの制作会社が「サンジゲン」というあまり
馴染みのない会社であったり、宮崎監督が引退を撤回して長編アニメの制作を
するためにアニメーターを募集したりしていますので、タイムリーかと思い業界の
ことを少し書いてみたいと思います。


記事をそのまま引用して掲載いたします。

「スタジオジブリによると、今回募集する制作スタッフは、「動画」と

「背景美術」それぞれ若干名。条件は18歳以上で性別・国籍は不問。
雇用形態は10月1日から3年間の契約社員で、給与は「月額20万円以上」、
賞与は「年2回」とある。また、今回の募集はアニメーション業界での
業務経験を問わないが、「研修期間〔6ヶ月〕を経て、一定のレベルに
達した後に制作に加わっていただく、新人育成を前提としております」
としている。」




海外へもこのニュースは報道されていて、日本のアニメーターの給料事情の
悪さに驚いているようです。
このブログでも何度か書いていますが、日本のアニメが繁栄しているのは
優秀なアニメーターが多いからではなく、安い賃金でも仕事をしてくれる人
たちが多くいるからです。

海外のように自分の技術を正当に評価して、さらにグレードの高い生活を目指
す文化が定着していると日本のように低賃金でアニメーターを働かせる
ことはできないのです。

だから日本のアニメのように大量生産がきくわけで、同じ条件で制作した
場合今のような日本のアニメにはなりません。
言わば日本のアニメは半世紀も前の経済常識で動いているわけで、今のような
経済常識で動くとなると今の制作本数は維持できないどころか殆どなくなって
しまうでしょう。



また、世間の人々がアニメ業界をどうみているかという点ですが、テレビで
のある貧困特集があったそうでネットでも話題になりました。
すでにどこかで見た方も多いかと思います。

それによると貧困から抜け出したい女子高生がアニメの専門学校へ行きたい
けれど入学費がないと言うことでした。
内容的にどこまでが本当なのか嘘くさい話ではあるのですが、ここから言える
のはアニメ業界へ就職できれば貧困から抜け出せるほど稼げる業界だという
認識です。


この情報に対する反応がTwitterやらネットニューなどにも取り上げているの
ですが、多くは批判的なものです。
なかにはアニメ業界は右肩下がりの斜陽業界で貧困から抜け出すことは困難
という指摘もありました。



しかしながらこの女子高生の親世代、いえもっと昔のサークル活動をしていた
1990年以前から世間はだいたいアニメ業界というところは華々しくて稼ぐこと
のできる業界だと思い込まれていました。
それは今でも変わりません。


このブログではことあるごとに書いていますが、超がつくらいのスーパー
ブラック業界です。
先の記事のように、右肩下がりの業界ではなく一度も右肩上がりになったこと
のない業界なのです。
アニメの本数が多くあるとかは、業界の経済的な目安にはなりません。


某有名アニメ学院の第1期生のアニメーターから業界の人を知っていますが、
アニメーターの生活は悲惨です。
昔は良かった業界ではなく、昔は生活保護を受けながらアニメーターを
やっていた人を知っていますので、今のアニメーターの方がまだまし
かも知れません。

こういう現実を専門学校へ入る前にいろいろと忠告をしたこともありました。



ある程度の年齢が来ると経済的にも暮らしていけなくなるのです。
ようは好きだからなんとか生活していけるだけで良いと思える人でないと
続けていけない業界です。

ですが多くのと言うよりも、殆ど全てですがこの業界へ入ってくる人たちは
華々しい業界だと信じている世間の人たちよりももっと強く信じています。
彼らの話を聞いていると、まるで日本版ハリウッドと呼べるようなアニメ
ドリームの話を聞かされているような気がするほどです。

業界から去って行く人はさすがに身にしみて分かりますが、これから業界に入る
人間が一番この現実を認識していないという面があるのです。
一番身近な人々が一番現実をみないのです。
まったくの妄想かと言いたくなったことは一度や二度ではありません。



ですがちょっとここでこれらの背景を説明すれば、この「アニメの専門学校」
そのものに大きな原因があります。

これはもう最近の有名大学も同じ傾向なのですが、とにかく諸々の設備が
素晴らしい。
少子化の影響もあってとにかく学生を引っ張ることに躍起になっています。

生徒いうよりもお客様扱いです。
これはなにも授業に関係することだけではなく、まるで商業施設かと思える
ほど内容が充実しています。

実際の授業時間は長くありませんので殆どが楽しく遊ばせてもらっているよう
なものです。
真剣に、技術を磨こうとしている人を見たことがありません。
毎日が学園祭とは言いませんが、楽しそうでしたね。


こういう所で過ごしていると自分たちの未来は希望に満ちあふれているよう
に見えるのでしょう。
そして現実に業界に就職してみるとその落差の大きいこと。
殆どが一日二日でやめていきます。

残って数年働いたものに話を聞いたことがあるのですが、どうも自分だけ
はこの業界で成功できると根拠もなく思い込んでいたらしいのです。
もちろんそんな人はいませんし、業界そのものが成功している業界では
ありませんから。

このブログでは何度も指摘していますが、クールジャパンなど妄想の産物です。
景気の良い数字が踊っていますが、あれはまさに水増しに次ぐ水増しの
数字だといって良いと思います。



どうも現実否認の力が並の人以上だった人間だけが業界に残っている
ようですね。
現場の人間が一番現実をみていませんから、今後も業界として良くなるとは
思えません。


実際に沖縄でこの試みがありました。
他の業界なみに定時で帰れて平均的な給料を稼げるアニメ制作を目指す
試みが行政の旗振りで行われたのです。

ですが結局──今年だったと思います──潰れてしまいました。
労働基準を守っていては成り立たない業界ですから。

これが現実です。


ちなみに新しい元請け制作会社ができるからといって新人が沢山育ってきている
訳ではありません。
この業界は出たり入ったりフリーになったりする人が多いですから新しい制作会社
も成り立ってくるのです。

能力のある人はフリーになったりいろいろな制作会社を渡り歩きますね。
いつも書くのですが、アニメ関係に関しての理想と現実はあまりにも広く離れ
過ぎているのです。

大変残念なことではありますが改善されてくる要素を見いだせません。



それでは、次回でまたお会いしたいと思います。

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仮面ライダーアマゾンズ | Season2

特撮












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『仮面ライダーアマゾンズ Season2』



今回は特撮作品、「仮面ライダーアマゾンズ」の続編です。

シーズ1もすでにこのブログでは紹介いたしました。

二度目となりますが、続けて紹介しています。


監督は「石田秀範さん」 他、原作は「石ノ森章太郎」先生。
脚本、「小林靖子」さんとなっています。


仮面ライダー生誕45周年に当たる2016年を「スーパーヒーローイヤー」とした
東映が、その一環として新たに制作する仮面ライダー作品です。

1974年から1975年にかけて放映された仮面ライダーシリーズ第4作『仮面ライダ
ーアマゾン』を原典としていますが、設定やストーリーは一新されており、
全く別物の作品となっています。

「ホラー×ハードアクション×人間ドラマ」という重厚なストーリー作劇も
掲げられているため、Amazonプライム・ビデオの公式ページには「本作品には、
一部バイオレンス・シーンが含まれております。未成年の方のご鑑賞に当たりま
しては、保護者の方の適切な配慮をお願い致します」との記述がされています。

つまり元々子供向けのヒーローものと制作されておらず、作中でも「仮面
ライダー」という名称などはまったく出てきません。



ストーリーは───。


Season1は発見された──アマゾン細胞が人間に擬態して逃げ出していて、
それを駆除ししている物語です。
自らの肉体にアマゾン細胞を移植して仮面ライダーアマゾンアルファへと変身
する鷹山仁(たかやまじん)と、アマゾン細胞に人間の細胞を移植した仮面
ライダーアマゾンオメである水澤 悠(みずさわはるか)という二人の
ライダーがぶつかり合いながらアマゾンズたちを殲滅してゆく物語です。


Season2はそれから五年後の物語。
オメガは人に害をなさないアマゾンを保護するために何処かに消え去って
いるが、新しいタイプの人に感染する「溶原性細胞」が広がっていて新しい駆除班
がそれらを駆除し病原体を特定しようとしていた。
すでにアマゾンの存在は世間に知られており、政府も動き出している。
駆除班には新しいニュー・アマゾンオメガである、アマゾンに育てられた少年・
千翼がおり、一度死んでアマゾンとして蘇ったイユとともにアマゾンを駆除していた。

姿を消していた水澤悠が現れ、アマゾンたちとも違った行動をしてることを
知る。
解散していた以前の駆除班がまた動きだし、水澤悠とまた組むことに
なった。
そこへ同じく行方が知れなくなっていたアルファである鷹山仁が盲目の
姿となって現れる。



──と、まあこんな展開になっています。



戦闘シーンは以前にも増して過激になっており、頭部が胴体から切断
されるなどさらに見せ場も増えています。

また、人間側の武器も強力になっています。
個人的には駆除班をもう少しこったものにしてほしかったと思いますが。


ここら辺の作品にたいする思いっきりの良さも好感がもてますね。

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◆ヒーローと正義ついての迷走解説。


上にも書きましたように、「仮面ライダーアマゾンズ」は子供向けの作品では
ありません。

それが個人的にもっとも好きなところであり、高く評価できるのもこの点です。
「仮面ライダーアマゾンズ」というタイトルでありながら、まったく仮面ライダー
のようなヒーローものではない作品となっています。



なによりも何が正義で悪なのかはこの物語では判然しません。
アマゾンは自分たちの生存をかけて戦っているし、喰われまいとする人間側も
また自らの生存をかけて戦っています。

むしろアマゾン細胞を産み出したものが最も悪いのかと思えるわけで、「鷹山仁」
がその罪の重さを体現しています。
自らの過ちを命をかけて消し去ろうとしています。

そこには正義も悪もありませんし、勝者は存在しません。


この記事を書いているとき、海外でのテロのニュースが入ってきました。
昨今のテロ事件や国家同士の紛争をみると、正義の本質についてますます考え
させられしまいました。



仮面ライダーの原作者である「石森章太郎」さんがなくなってもうずいぶん
となります。
「アマゾン」は仮面ライダーシリーズの中でも他の仮面ライダーとは違った
異色の作品です。

ですがこの「アマゾンズ」とはまったく関係がありませんし、つながる
部分もまったくありません。
この作品はすべてオリジナルといって良い作品です。


ですが「石森」作品はテレビドラマである仮面ライダーシリーズの大成功から、
勧善懲悪的な物語のように思われていますが、原作は違います。

この世代の漫画家の方々の特徴として、勧善懲悪をよしとしないのです。

「ゲゲゲの鬼太郎」の「水木しげる」先生も当時はスーパーマンのような勧善懲悪
なヒーローものを要求されたそうですが、それはできないと「鬼太郞」になった
そうです。

月光仮面や黄金バットは勧善懲悪であったように記憶しています。



漫画の黎明期から漫画を読んでいると、子供のころでさえアメリカン
コミックの勧善懲悪さの単純さがとても幼稚に思えたものです。

特に「石森」作品はこの傾向が強くて、そういう意味では本質に近いものが
あるのかもしれません。


ただアメリカンコミックのヒーローも、単純に悪い奴は意味もなく悪く、
正義の味方は純粋に正義の執行者という図式だけではなくなってきています。
それは「スパイダーマン」の頃からで、当時、我々は初めてアメリカンヒーロー
がものを考えて悩むようになったと笑い話にしていました。

これはベトナム戦争の敗北の影響だろと考えられていましたね。

それでもやはり今でも単純に、悪い奴は意味もなく悪く、正義のヒーローは
単純に良い人という図式は大きく変わっていません。


ですが日本では「鉄腕アトム」の「青騎士」にみるように善悪が判然
としません。
「鉄人28号」は操縦機を操るものによって善にも悪にもなるのです。

これは現実の世界でも同じで、現実には善も悪もないと思います。
全てが主観の問題ですし、むしろ世の中には正義があまにも氾濫し過ぎています。
歴史は勝者を「正義」と称し、「敗者」を悪と決めつけてきました。

むしろ世の中、もう少し「正義」が少なくなってくれたならもう少し暮らしやすい
ものになったかも知れません。


世界の紛争からご近所のトラブルまで正義と正義が戦っていると言えるかも
しれません。
連続殺人犯でさえ、他人には理解できない正義感からの義憤によって連続殺人
を行っていたり、歴史的にみても正義を旗印にもっとも卑劣で残酷なことを
行ってきました。

そしてなにより困ったことには、正義は他の正義を認めません。
自己中なものも正義と言えるでしょうし、正義をかさにかかってくる人間
は自分たちの非を認めません。

言葉を換えるとナルシシズムと深くつながっています。
これはもう、考え方少しで変化させたりなんかできるものではありません。

正義感は避けられない病なのかと思えるほどです。



ましてや世界は高速な交通手段が整備されていて、さらにはインターネットで
バーチャルながら世界と秒単位でつながっています。
ネットの世界が誹謗中傷合戦となりとても窮屈で歪なものであるのは人間の
意識をダイレクトに反映しているからでもあると思えます。

正義感を振り回す人が多すぎますね。
正義が世界を滅ぼすのかもしれません。



誰だかは忘れましたが、「地獄への入り口にはアホな正義が敷き詰められて
いる」と書いていた方がいましたが全く同感でした。


もしかすれば、本当に必要なものは「悪」なのかも知れませんね。


それではまた次回でお会いいたしましょう。

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